
ガス・ヴァン・サント最新作『デッドマンズ・ワイヤー』を観てきた
存命の映画監督の中で、私が一番好きな監督は誰かと聞かれたら、間違いなく名前を挙げる一人がガス・ヴァン・サントです。
その最新作『デッドマンズ・ワイヤー』が公開されたので、さっそく映画館へ走って行ってきました。
まず、とにかく音楽が良い。
ガス・ヴァン・サント作品は昔からサウンドトラックのセンスが抜群なんですが、今回も期待を裏切りませんでした。観終わってすぐ「サントラ買おうかな」と思ったくらいです。
物語は実話をベースにした作品ですが、予想していた方向とは少し違う展開で進んでいきます。そして、アル・パチーノが本当に良い。派手ではないけれど、作品全体をしっかり支えていました。
映画そのものは、「人生ベスト級!」というほどではありませんでした。
私は、ものすごく感動した作品か、逆にものすごく残念だった作品はnoteで長文を書くことが多いのですが、この作品はそこまでではないかな、という印象です。
それでも、ガス・ヴァン・サントが好きなら十分観る価値があります。
上映期間もかなり短そうなので、気になっている方は早めに映画館へ行くことをおすすめします。
誰にも肩入れしない視点
観ながら思い出したのは、1999年のコロンバイン高校銃乱射事件をモチーフにした『エレファント』でした。
もちろん作品のタッチは違います。
ただ、ガス・ヴァン・サントらしい「誰かを悪者にしない」「誰にも肩入れしない」「それでいて誰も突き放さない」という独特の距離感は、今回も健在でした。
答えを押し付けるのではなく、観客に考える余白を残す。
この姿勢が私は昔から好きなんですよね。
ありがとう、ガス・ヴァン・サント。
やっぱり初期作品が好き
個人的に最高傑作だと思っているのは、やっぱり初期の二作品。
『ドラッグストア・カウボーイ』
そして、
『マイ・プライベート・アイダホ』
リバー・フェニックスとキアヌ・リーブスが本当に格好いい。
青春映画という言葉では片付けられない、90年代アメリカ映画を代表する作品だと思っています。
しかも、この二作品は近いうちにKBCシネマでAIリマスター版が上映されるそうです。
「あの作品が映画館で観られる。」
ファンにとっては、それだけで事件です。
もちろん代表作としては、
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
『小説家を見つけたら』
『ミルク』
あたりも有名ですが、私の原点はやっぱり初期作品ですね。
ガス・ヴァン・サントと音楽
映画以上に繰り返し聴いてきた作品が一つあります。
それが『誘う女』のサウンドトラックです。
正直に言うと、映画そのものはそこまで好きではありません(笑)。
マット・ディロンが『ドラッグストア・カウボーイ』の頃とはまったく違う大人になっていて、「時間が経ったなあ」と思った記憶のほうが強いくらいです。
でも、音楽は本当に素晴らしい。
私の中では『ロミオ+ジュリエット』と並ぶ、90年代アメリカ映画サウンドトラックの金字塔です。
映画は時代を映します。
でも、ガス・ヴァン・サント作品は、それだけではありません。
映像も、音楽も、人物の描き方も、「答えを決めない」という姿勢そのものが作品になっている。
だから何年経っても色あせないのだと思います。
今回も、そんな監督らしさを感じられる一本でした。
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